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2001年度創造工学研修専用掲示板

創造工学研修について(工学研究科・工学部のHPより)

2000年度までの土木工学科における創造工学研修

2001年度創造工学研修個別テーマ説明OHP

参考資料「広瀬川の橋」

創造工学センターホームページ


●2001年度創造工学研修の活動と成果  (掲示板もご覧下さい.)

2002.1.7更新


 河面から見上げた3Dグラフィックです.


 Students

 2001.7.24第1回ミーティング

 2001.8.8現地調査

 2001.8.28課題1 調査(レポート)

 2001.9.7
 2001.9.27改 課題2 計画(コンセプト&ラフスケッチ)



 橋詰から見た3Dグラフィックです.


 2001.11.20 課題2 計画(3次元コンピュータグラフィック)

 2001.12.10 課題2 計画(コンセプトと3次元コンピュータグラフィック2)

 2001.11.27 課題3 設計(ケント紙の橋梁構造物 その1)

 2001.12.3 課題3 設計(ケント紙の橋梁構造物 その2)

 2002.1.16 まとめのパネル(創造工学センターに展示)

 Special Thanks 建築デザイン学講座


2001.6.13
改2001.7.10

広瀬川に架かる牛越橋を架け替えてみよう

2001年度創造工学研修 1,2セメスタ

H2 テーマ名  広瀬川に架かる牛越橋を架け替えてみよう

  1. 担当教官:  北原道弘教授TEL217-7126,山田真幸助手TEL217-7131
  2. 受入人数: 1グループあたり3〜4名,最大3 グループまで.ただし
  3. 実施期間: 第 1 セメスタの夏休み前のできるだけ早い時期からグループの課題が完成するまで.ただし11月末までに全ての課題を終了すること.
  4. 実施場所: 土木工学専攻地域システム工学研究室(6階)
  5. 概  要: 広瀬川を渡る牛越橋の新橋を企画する.牛越橋の架け替について,調査,計画,設計を行う.現地調査を行い,どういう形式でどういう径間割にするかについて構想を練り,それに基づいて3DCGで新橋梁のデザインをおこなう.そしてそれらの模型をケント紙で作成し,簡単な載荷試験等の構造的な検討を行う.また,本課題では最終的な新橋のプレゼンテーション,およびそこに至る過程をインターネット上で発表してゆくことを考えている.

2001.8.31

●創造工学研修の意義について

 本講座では開講について上に示すような条件( a) グループあたり2名以上が人間・環境系学生でないこと.)をつけています.これは,広い分野に興味を持つ学生が一緒にすることが研修の目的のひとつであることから,それを明確化するために設けたものです.今後も同じ方針でこの講座を運営して行きます.しかし,本年度は第一志望の学生が少なく,開講が危ぶまれたことからこの条件をはずしております.


 

2001年度創造工学研修資料(案)2001.5.28改

 広瀬川を渡る牛越橋は,橋長約125m(25@5径間 ),2車線の一般的な鋼製2主桁(プレートガーダー)橋である.この橋梁は昭和29年5月(1949年5月)に竣工され,50年以上経った現在も川内地区と八幡地区を結び,日々の生活道路として,また東北大学への通勤・通学路として欠かせない土木構造物となっている.

本創造工学研修では,この牛越橋を対象として行う.

★ 課題はこの牛越橋の新橋を企画することである.★

具体的には 

  1. 調査
  2. 計画
  3. 設計

の3段階で,ある程度の成果物を要求します.ただし進行状況によっては課題2,3の作業が同時進行,あるいは逆転する可能性もあります.

 

はじめに

 橋梁構造物は交通路となる上部構造とそれを支持する下部構造から成り,河川,道路,鉄道,海峡等を横断し,人や物資を輸送する土木構造物である.その計画にあたっては,十二分に上載荷重に耐える安全な構造物であることはもちろん,近隣に騒音や不快な振動を与えるものであってはならない.また,橋梁としての機能を50年,100年と長く保持し,健全に使用できる構造物であることが要求される.加えて近年ではこれらに加えて,近隣住民にとって親しみ易いことなど景観的な配慮も求められる.そしてもちろんのこと,経済性の観点からも検討が加えられる.ここでは50年,100年といわれている橋梁の寿命の中で費やされる維持管理費等まで評価に加えたライフサイクルコストの概念を導入する動きがあり,従来の単に初期建設コストが最小であるということよりも大きな視野から計画に判断が下されるべきである.

まとめると

理想の橋梁とは   

これらを実現するために,現在の牛越橋について調べよう.

 

課題1,調査

実際に現地に行って以下の4つのキーワードについて考えてみよう.

安全な?  ⇒どのような形式の橋が良いのか?幅は?欄干は?橋詰広場は?歩道は?

経済的な? ⇒上部構造と下部構造の費用のバランスは?橋脚を多く作ったほうが安いか高いか?長い桁を多く作ったほうが高いか安いか?

長持ちする?⇒50年経つとどうなるの?鋼は?コンクリートは?塗装は?部材の継ぎ手は?地震は?風は?雪は?

そして

愛される? ⇒デザイン,形式は?色は?素材は?目立った方が良い?どの方向から見られる?橋からの景色は?橋を含んだ景色は?

★以下調査にあったっての注意事項と課題の内容★

  1.  調査は必ずグループのメンバー全員が参加して共同して行い,実際に現地に赴き,橋を橋下から眺めたり渡ったりしながら,レンズ付きフィルムなどで主な構造や景観などの写真を撮影し,それぞれのキーワードについてついて議論し,考察すること.
  2.  参考文献としては「橋梁工学」や「鋼構造」などの教科書を眺めるとよい.
  3.  調査レポートをグループで1冊作成のこと.現場の地図や写真等に4つのキーワードに関してコメントをつけ,何を考えたかを示すこと.
  4.  これらの成果物については,コンピュータを用い,ホームページへ加工が可能なワード,一太郎等のソフトで作成すること.ソフトの使い方については指導します.相談してください.

 ※レポートの内容をホームページに加工して公開します.さまざまな人から意見を募ると良いかも知れません.←掲示板の設置を考えています.

 ※加工作業を指導サイドがやるか,課題に含めるかは未定.Webは地域システム工学研究室のサーバ上に設置予定.

 

課題2,計画

 新牛越橋の計画を立案しよう.もちろん名前も変えて結構です.

 指定は牛越橋相当のプロポーション(橋長125m,2車線)のみです.どのような形式の橋梁を提案しても結構です,しかし,はじめに「課題3」の冒頭を読んでおいてください.

そしてこれらのイメージパンフレットを作成しよう.

作成したイメージパンフレットはホームページとして公開します.

★パンフレットの内容は★

4つのキーワードについてどのような配慮をしたか?

←このことについては牛越橋の現状を知らせる必要がありますが,この時点では課題1の成果としてホームページになっているはずです.

そして ⇒3DCGソフトでCGを作成

※3DCGソフトは創造工学研修センターのform・Zを使用する.使用に際しては短期間だが,建築学科と合同のセミナーがある.時期は未定.

※はじめにスケッチを書き,具体的なイメージがまとまったら3次元モデリングを行うこと.いきなり3DCG上でデザインを行うのは困難である.

 

課題3,設計

 橋梁はデザインだけでは実際に作ることはできません.キーワードの第一番目である「安全な」橋であるキーワードが満たされて初めて,それ以下のキーワード,その一つであるデザインを考える余地が生まれてきます.わが国では高度経済成長期以前は経済性が最優先され,機能一点張りの土木構造物が多く建設されましたが,以降は土木構造物に関してもデザインを考える余地が生まれてきました.今後,この動きはさらに大きくなると考えられます.しかし,将来の技術者であるみなさんは,橋梁は,土木構造物は,広くは土木に限らない全ての構造物は,満たすべき機能を満たして初めて,デザインが介入する余地が生まれることを忘れないで下さい.

では,提案する新牛越橋の模型を作ってみよう.

★模型の素材は「紙」です★

 土木構造物で非常に多く用いられる素材として,コンクリートと鋼があります.特に橋梁構造物では鋼が多く用いられています.橋梁で鋼は主に下部構として用いられていますが,その部材の厚みに着目すると1径間25mの牛越橋でも,わずかに3cm程度のはずです.このように薄い材料でも形状を工夫することにより非常に強度のある構造物が作成できます.牛越橋のような鋼橋はこのようにして軽く,強度のあるものになっています.ただの紙だと10cmの径間も渡せないと思いますが,工夫をしてコンセプトで示した径間を渡せる模型を作成しましょう.ここでも参考文献として「橋梁工学」や「鋼構造」などの教科書を眺めるとよいです.

 ケント紙とグルーガンを支給します.これらで少なくとも橋梁の自重を支持できる模型を作成してください.最終的にはある程度の載荷ができれば,その様子をホームページで発表して本創造工学研修の課題は終了です.その際の載荷荷重は模型の出来を見ながら指定します.模型を支持する橋脚,橋脚を固定する地盤に相当するもの,斜張橋等を作成する場合は,使用するアンカレイジなどはこちらで作成しますが(もちろん,そこまで作ってくれても結構です.),タワーは作成してください.形状に関する指定は,ここでも牛越橋相当のプロポーション(橋長125m,2車線)のみです.

 

資料1 ケント紙の橋梁構造物

 ケント紙でプレートガーダー橋の下部構を作ってみました.上の写真はそれに載荷実験を行ったところです.コーヒーの粉は瓶にほぼ目一杯はいっています.作成したものは2主桁で,橋長300mm,ウェブ高20mm,主桁間隔は50mm,です.縮尺を1/100と考えると橋長が30mとなり,牛越橋と同じ程度のプロポーションです.

 上に近づいた写真を示します.接合はグルーガンと呼ばれる器具で熱可塑性の樹脂を溶かして行い,プレートガーダーに対傾構,横構などを加え,実橋とほぼ同等のディテールを持っています.

 この構造物は極普通のケント紙で作られています.使った紙は上の写真に示すように,たった300×170mm程度です.この紙を前に示した様に加工することによって,加工前のそのままのケント紙からは想像もできない,非常に高強度な構造物になっていることがわかると思います.実際の橋梁の設計にあたっても,技術者は形状を工夫することにより,より少ない,そして薄い(とはいえ10〜30mmもあるが)鋼板で長スパンの構造物を作り上げてきたのです.

 

資料2 牛越橋の視点場について

 

 

 

 

 

 

 橋梁全体を見渡せる代表的な視点場は視点場2の牛越緑地辺りからと視点場4および視点場5の広瀬川右岸の遊歩道からである.対象橋梁付近には堤外地に遊歩道が整備されており,また,秋には芋煮会等でにぎわうところであるから視点場3のような橋梁を見上げる視点場も存在する.しかしながら,傾斜地に囲まれている立地条件と橋詰付近に視線をさえぎるものが少ないことから一般的には視点場1のような堤外地を見下ろす景観が多い.

資料3 コンピュータグラフィックをつかった橋梁のデザイン例

報告書「新しい構造フォルムの創造」:東京工業大学創造プロジェクト研究体8グループ土木構造物のデザイン手法より抜粋